サブスクリプションの難しさ!!
向き不向きの商材とは

近年、AmazonプライムやNetflixなど、勢いある外資系のIT企業やTOYOTAなどの昔からある日本の大企業もサブスクリプション事業を始めるようになり、今では多くの企業が自社のビジネスモデルにサブスクリプションを導入するようになってきました。

市場調査会社のREPORTOCEANによると、サブスクリプションの世界規模は2020年の時点で40億ドルと言われており、サブスクリプションについて説明するYouTube動画が10万再生をこえるなど、多くの人々に興味関心を持たれています。

サブスクリプションをうまく活用することで、事業によっては、新たなビジネスチャンスを掴むことができる一方、サブスクリプションが自社のビジネスモデルに合わず、サブスクリプションビジネスから撤退していった企業もあります。実際に、日本の大手飲食チェーン店である「牛角」は月額11,000円で食べ放題のサブスクリプションを開始しましたが、採算が合わずサブスクリプションビジネスから撤退してしまいました。

本ブログでは、サブスクリプションとはどういったモノなのか?メリットとデメリットについて解説しています。ぜひ、自社のビジネスにサブスクリプションを導入するかの判断材料として、ご活用ください。

サブスクリプションとは

NetflixやAmazonプライム、Huluなどのインターネットを活用したサービスのビジネスモデルからサブスクリプションという言葉を知る方が多いため、インターネットを活用したサービスの月額課金制サービスのことのみをサブスクリプションと思われがちですが、サブスクリプションとは商品やサービスを一定期間、一定額で利用できる仕組みそのものを指しているため、昔からある新聞やスポーツクラブの会員権、ヤクルトなどもサブスクリプションの1つになります。

サブスクリプションのメリット

収益が安定する

買取り型の商売は、常に新規客を獲得する必要や追加で商品を購入してもらうための営業活動が必要になるため収益が不安定になる可能性があります。一方で、サブスクリプション型のビジネスだと、顧客が申し込んだサービスの契約を解除しない限り、ほぼ永続的に売上見込みが立つため、 安定した収益状況をつくりだすことが可能です。

顧客との関係性が強くなる

サブスクリプションを導入することで、サービスを利用する顧客に定期的に商品・サービスを届けることができるため、自然と接点が増え、顧客からのニーズや要望に答えやすくなります。その結果、より良いサービスを提供することができ、その結果、サービスに対する顧客満足度が高まり、顧客との関係性もが強くなるため、商品の追加購入やサービスの継続利用につながります。

サブスクリプションのデメリット

利益が出るまで継続してもらうのが大変

サブスクリプションで収益を上げるためには、多くの顧客に利用していただき、長期的に継続してもらうことが重要です。サービスを利用している顧客が途中で解約してしまうと、なかなか収益がでない可能性があるため、カスタマーサポートの充実や商品のアップグレードなど、サービスの利用価値を高め、継続してもらうための創意工夫が必須といえます。

価格設定が難しい

提供するサービスによって異なりますが、サブスクリプションの価格設定を低めに設定すると、利用者は増えやすいが1人あたりの収益が低くなる傾向があり、価格設定を高めに設定すると、1人あたりの収益は高くなるが、利用者は増えにくくなるため、提供するサービスに見合った価格設定、そして収益確保ができる状態を作り出すのが非常に困難です。

サブスクリプションを取り入れないという選択

サブスクリプションを取り入れることで、買取り型の方式よりも利益が上がらない可能性があります。実際に大手焼肉チェーン店である「牛角」や衣料品の販売を手掛けている「AOKI」などはサブスクリプションを取り入れましたが需要に供給が追いつかず、利用料金以上のサービスを提供することが出来ませんでした。その結果、サブスクリプションビジネスで収益が上げられなくなり、失敗に終わっています。事業内容や顧客層によっては、サブスクリプションの様に月額で少しづつ利益を出すより、買取り型で利益をすぐに出す方が良い場合もあります。

まとめ

サブスクリプションを取り入れると、売上見込みが立ち、 安定した収益状況を作り出すことができるため多くの企業が導入しようとしています。ただし、利益が出るまで顧客にサービスを継続利用してもらうための創意工夫が必須であることや提供するサービスに見合った価格設定が難しいため、場合によっては、サブスクリプションを取り入れない方が良い場合もあります。自社と同じようなビジネスモデルの会社がサブスクリプションで成功しているかのリサーチや情報分析を行い、サブスクリプションに詳しい専門家などから助言をもらった上で、自社のビジネスにサブスクリプションを導入するかを検討しましょう。